2013年9月8日日曜日

宮崎監督の引退インタビューを聞いて。

▲宮崎監督が引退する会見のほぼ全部が、ユーチューブにのっていた。
 ほぼ全編を聞いた感想などを箇条書きとしてみたい。

あ、宮崎監督の仕事のやり方のような説明があって、この部分を押さえていないと、「引退の決意」の意味が分からないなぁ、と感じた。

 筆者の聞きかじりと監督の説明をまとめて説明すると。

 絵コンテという新聞などの4コマ漫画のようなものを作って、「絵」と「筋」と「時間」を決めている。
 1枚の絵コンテで恐らく「数十秒」程度のアニメが出来上がるのだろうなぁ。
 <掲示板で、航空業界の人から、「風立ちぬ」で表現されていた技術的なことについての「つくりこみの凄さ」について賞賛していた。この絵コンテというものを作る段階で、そこまで宮崎さんは勉強したといことであろう>

 これを宮崎監督は、一日、机に座って7時間から10時間以上も作っているのだ。
 それが、宮崎さんの「やり方」だ。

い、上のような「やり方」しかできないのだ—と宮崎さんは繰り返し強調されていた。

 年をとると、目が悪くなり見えづらくなることもあるが、なにより「集中力」が続かなくなる。
 集中力を維持するということは、「体力」のいることなのだ。

 上で、一日の時間を7時間から10時間以上とか触れたが、若い頃は一日14時間でもできた。でも、「風立ちぬ」を作った時は、もう7時間しかできないのだ—と。

 つまり、これが5年間かかった理由だ。

 もう、ことし73才になる。すると、一日7時間か → 5時間になる可能性があろう。すると、5年が → 7年とか8年とかになる。

 こう考えると、もう物理的に長編ものは無理なのだ。
 だから、引退するのだ—と。


う、ジブリの将来について聞かれて。

 これに対して、自分が若い頃には、あんなものがやりたい、こんなものがやりたい—といわばタネのようなものを一杯抱えていた。
 今のジブリにいるアニメーター達が、宮崎さんという「重し」がとれた時、「我こそは」と頭角を現してくれるかどうか—ではないのか—と。

 →これは潔い言葉だな。組織だけを残すということに価値を見出していない。
 実力者でてこい—と挑発しているということだろう。

え、会見全体についての感想

 会見で思ったのは、宮崎さんの「潔さ」だ。

 絵コンテを一日7時間つくることができない—そういう年齢になった。
 その「自分の加齢」というものへ「降参だ」と手を上げたということなのだな。